建築石材(堆積岩)
石建築に使われる石材ををご紹介します。
①大谷石他(凝灰岩)耐火性があり、暖かい仕上り
使用箇所:外壁
凝灰岩は、火山灰が地表や水中で堆積されて形成されます。他の岩石と比較してやわらかく加工しやすく耐火性にも優れている為、石塀などで多く利用されてきました。
代表的なものとしては、栃木県の「大谷(おおや)石」、青森県の「十和田石」、岡山県の「竜山石」などが挙げられます。特に大谷石は6〜7世紀ごろから古墳の石室の積石として利用されてきた歴史があります。
高度経済成長期には、家屋の外塀の材料として幅広く利用されていました。十和田石は水に濡れても滑りにくいことから、スーパー銭湯や風呂の床材として使用されます。
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大谷石(栃木県) | 十和田石(青森県) | 竜山石(黄)(兵庫県) |
②砂岩 自然な肌で、やわらかい仕上り
使用箇所:内壁
砂岩は、砂を主成分として圧力によって固められて形成されたものをいいます。
堆積面から割った「割肌」として利用されることが多い石材です。
代表的なものとしては「インド砂岩」が挙げられ、白・緑・赤と三色があります。剥離性が強くない為に、割った肌ごとに違う表情が出るのが特徴です。内装の壁材などで使用すると、非常に柔らかく良い仕上がりになります。
日本国内では大阪府の阪南市を中心に「和泉砂岩」が産出されていました。石質がやわらかいため加工が容易で、狛犬や石碑など石造美術品にも幅広く利用されていました。
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インド砂岩(白)(インド) | インド砂岩(赤)(インド) | インド砂岩(緑)(インド) |
③石灰岩 ベージュを基調として、様々な柄が特徴
使用箇所:内壁、内床
石灰岩は、貝類などの殻や水分中の炭酸カルシウムが堆積して形成されます。そのため、石種によってはアンモナイトなどの化石を含むものがあります。
代表的な石種は「ライムストーン」と呼ばれるもので、古くはエジプトのピラミッドに使用された例があります。現在では、ポルトガルの「モカクリーム」を中心とした石材が利用されています。
ベージュ色で非常に肌触りが良いので、大理石と同様にエントランスなどの内装の壁材として人気があります。
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モカクリーム(ポルトガル) | モカクリームダーク(ポルトガル) | カリサカプリ(スペイン) |
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アンバーライムストーン(スペイン) | ジュライエロー(ドイツ) |