稲田石(茨城)
日本一の採石量を誇る白御影石
稲田石は茨城県笠間市で産出される、白系グレーの御影石です。
笠間市のなかでも稲田地区から産出されるものを「稲田石」と呼んでおり、その産出地域は広大です。別称、稲田御影とも呼ばれています。
日本一の採石量を誇る白御影石で、国産白御影の代表格ともいえます。大量にとることができるため、長尺材を採れることも特長です。
硬質で耐久性にも優れているので、歴史的建造物にも使用されています。
例えば、三井銀行本店、鹿島神宮大鳥居、明治神宮、最高裁判所、東京駅、広島原爆慰霊碑などです。もちろん建築材の他にも、土木用材や墓石としても使用されます。まさに日本を代表する石材です。
色調は美しく、均一的な柄で、つやが良く出ます。
その美しい白色は、世界中の花崗岩の中でもトップクラスの白さといわれています。あまりの美しさから、「白い貴婦人」と呼ばれることもあります。加工性に富んでおり、磨きあがりも美しいです。
主に、雲母・石英・長石の3種類の鉱物が強く固まって結晶した花崗岩で、中粒の黒雲母が入っています。
6割強を占める白色の長石が、稲田石の色調を決定づけています。吸水率が低く酸にも強いので、耐久性に優れており、外装材にも適しています。なお、鉄分が多少入っているので、サビは出やすいという欠点はあります。