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京都・関西で人気のブランド墓石材
日本では沖縄から北海道まで、さまざまな石材が産出できます。
ただ墓石に使える石材となると、かなり限られます。
店頭で販売されている国内産の墓石材は、ブランド品として価値を得たものばかり。
良質な墓石材が採れる有名な産地は、茨城(真壁・羽黒他)、福島(滝根・浮金・磐梯他)、福岡・佐賀(天山・椿他)など数多くあります。
関西で人気の墓石は、瀬戸内海の沿岸に点在し、庵治石や大島石などは、日本を代表する高級ブランドとして知られています。
国内産/墓石用・銘石紹介
●庵治(あじ)石/細目石・中細目石・中目石
庵治/細目石
(黒雲母花崗岩)
香川県木田郡庵治町
庵治/中目石
(黒雲母花崗岩)
香川県木田郡庵治町
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あじ石の歴史は古く、平安時代後期から採石・加工され、この頃から京都まで送られています。
あじ石の故郷は、香川県高松市の東部。
山の全域が花こう岩の層である八栗五剣山です。
石の正式名称は「細粒黒雲母花こう岩」といわれ、風雪に耐える堅い石質、優美な光沢と色、きめの細かさ、中でも細目になるほど、青味を帯びた石目に鱗状のかすかな文様が浮かび、石材界の貴重品です。
「花崗岩のダイヤ」とも称され、世界でも高い評価を受けています。
これは石質だけでなく、石材加工技術の高さにも裏付けられたものといえます。
あじ石は大きく分け、最高級品の細目(こめ)と、高級品の中目があります。
細目は最高の墓石を求められ方には、これ以上のものは無い銘石です。
中目は、黒い斑点が散りばめられているのが特徴。
京都では高級墓石として大島石と並んで好まれている石です。
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●伊予大島石
伊予大島石
(角閃黒雲母花崗岩)
愛媛県越智郡宮窪町
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大島石は、瀬戸内海の大島で採石されます。
江戸時代から美しく堅牢な石として知られてましたが、採石技術の未熟さ、搬出の難しさなどから、一部の人だけが知る銘石でした。
しかし明治、大正、昭和にかけての技術進歩と機械化等により採石量が増え、高級墓石材として全国に知られるようになりました。
大島石の特徴の第一は、石目が青く細やかなこと。
青磁の肌を思わせる気品から「石の貴婦人」と呼ばれています。
また、石の堅さ吸水率の低さは、国産花こう岩の中でも一、二を競い、まさに百年品質の名に相応しい石です。
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●青木石
青木石
(花崗岩)
香川県丸亀市広島
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青木石の産地は瀬戸内海、塩飽諸島二十八の中で最も大きい広島です。
青木石も採石の歴史が長く、豊臣秀吉が大阪城を築城した時に使用したのが始まりだといわれています。
以来、墓石材を始め、記念碑・石像・建築石材と幅広く活用されたています。
特徴は、おちついた優しい石の目合いで、特に女性に好まれています。
石目には黒口と白口がありますが、墓石は黒口が人気です。
国産石の中では比較的安価で、最近はお求めになられる方が多くなっています。
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●北木石
北木石
(花崗岩)
岡山県笠岡市北木島町
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北木石は、笠岡市の北木島から採石されます。
青木石同様に、古くは大阪城の石垣に使われましたが、靖国神社の大鳥居や、天皇陵での鳥居などにも使われるように、全国に販路が広がってています。
石色は、白と錆びの2種類。墓では白色が使われています。
中でも特に白いものは、白水晶と称されています。
また、錆び色の石は、万成石とともに建築の内装に多く使用されています。
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●万成石
万成石
(角閃黒雲母花崗岩)
岡山市北西部万成地区
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優しく淡い桃色の御影石。
見た目よりも硬質で吸水率が低く、大正時代より建築石材として、伊勢丹・阪急ビル・日生劇場・岡山県立美術館など、大型施設の壁や床材に多く使われてきました。
華やかで美しい色合いがモニュメントにも好まれ、イサムノグチをはじめ多くの芸術家に愛されてきました。
また吉田茂、高村光太郎、吉川英治、石原裕次郎、横山やすし、本田美奈子などの、多くの著名人のお墓にも使われています。
特に濃くて鮮やかな桃色の石は「竜王石」と呼ばれています。(参考/万成石材採掘販売組合)
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石の産地紹介(国内産銘石)
京都をはじめ関西における墓石は、古くより瀬戸内海の庵治・大島・北木石などが銘石として好まれてきました。
これら国内産石の産地は、硬質でキメ細かく、美しい石目なのが特徴。
京都でも、かつて白川や鞍馬から銘石が採れ、燈篭や石碑にも使われてましたが、今はもう産出できず、非常に価値が高い石となっています。
同じように、瀬戸内海の銘石も産出量が限られ、さらにキズやボセイなどの不良が無い石を切り出すのは、産出量のおよそ10%といわれ、価値が高くなっています。
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石の切り出し風景
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国内産/墓石用銘石産地
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